2008年12月18日

感動のフィナーレ

席を離れ喫煙所で少し今日の試合を振り返り、今日という一日の
ハイライトへと向かう

シーズン最後の試合なので選手が一列に並び監督から一言があって
選手がグランドを1周して簡単に終わった
そこに来シーズンの希望も今年の反省も何もない それでいいのだろうか
そう考えながら時が過ぎてゆく
でも誰もスタジアムからは立ち去らない
そう、まだメインは終わっていないからだ

しばらくして選手が向かい合って花道を作り、そこを主役が通り抜ける
小さな背中に大きな背番号8
センターサークルにポツンと置いてあるマイクへ彼は向かった
感謝の気持ちをハキハキと話して凄く普通にセレモニーは終わる

仕事柄もっと演出を考えてあげたかった
しかし僕は一人の客でしかない ボランティアで参加したかったなぁ

肩車をされ彼がスタジアムを廻る
僕の席はホームベンチ裏なので最後に廻って来る場所だ
彼のこれまでの経歴がボードに文字で流れる
映像は勿論ない

ホームのゴール裏に彼が来た時にあるコールがおこる
それに答える様にピッチに走りボールを蹴った
マスコットしかいないゴールにボールは入らなかった
もう一度やった これも入らなかった

彼は照れ笑いを浮かべながらゴール裏に戻って来た
選手全員でゴール裏のサポーターと一緒に写真を撮った
そして熱いサポーターからコメントが一杯書かれたフラッグを
受け取り、それを身体に巻き付けようとした時に
彼が自分のユニフォームを脱いで誰かを探している

探してた人を見つけ、彼は自分のユニフォームを彼に着せた
19才で代表に選ばれ、これからのチームの柱、自分の後継者
と周りが噂する彼に後はお前に任せるという意志表示なのだろう

それを見ていた僕の眼にはもう涙が溢れ出して来た

二人がまたピッチに出て来て8番を付けた未来のエースのパスで
彼がボールをゴールに押し込む
そしてあの飛行機パフォーマンス

たまたま家の近所のスタジアムがホームというだけで
このチームを応援してきた
多くの感動をもらったり、フロントの馬鹿さ加減でもう
応援なんかするかと心に誓ったり色々あった

ずっと見てきた選手が引退をするというのはやっぱり寂しいものだ
来年も気が向けばこのチームを見に行こうかと思いながら
スタジアムを後にして家に帰る

今年は何故か引退式に縁があった
プロ野球のスターの引退セレモニーはグランドで見て涙を流し
今日この日サッカー界の愛すべき選手の引退セレモニーを見た

来年は何に感動して涙を流すだろうか?
それが楽しみである

posted by admin at : 17:48

2008年12月12日

感動のフィナーレ前

土曜日の昼、僕は前に住んでいた場所の近所にいる
踏切がなくなり、中華料理屋がチェーン店に変わっていた。
この土地を離れてもう10年になるのかぁ
当時の思い出に浸りながら遅れて来る友人を待つ為に
そのチェーン店に入り朝昼兼用食を食べる

目的地に到着し中に入るがものすごく寒い
ちょっと薄着すぎたかと反省しながらグッズショップで
帽子を物色するがなんとなくときめかないのでピンク色の
手袋を買った

席に座り開始を待つ
今日はチームの愛された選手の最後の試合

試合は始まる。想像通りパススピーズが遅く、やりたい事は分かるが
まったく出来ていない、だから2部なんだろう
でも今日勝って遠い仙台が負ければ・・・という確率の低い
期待値はある

26番と31番がそして6番に17番が試合を引っ張る
26番はフリーで4回も外す 頼むで代表

先制されたが追いつき追い越して90分が過ぎた
まだ背番号8はコートを着て外にいる
ロスタイム4分という表示がでた
一度も優勝を経験できなかったベテランは最後の公式戦にも出れずに
現役を引退するのだろうか
そう思ったときにベンチが動いた 170センチもない身体に
8の背番号を背負った彼が見える 場内は大歓声だ
ボールが外に出た。コーナーだ チームは全員審判に交代を求める
しかし、空気を読まない主審はコーナー開始を指示する
まだ交代手続きが終わっていないのだ
やっとピッチ脇に交代ボードを持った第4審判と8が並ぶ

試合が再開された、僕は叫ぶ 切れ、ボールを外に出せと・・・

対戦相手も空気を読んだのかボールが外に出る
珍しく2万弱入った競技場にこの日一番の歓声が・・
交代は彼が後継者に指名した19才の26番だった
二人が軽く抱き合った そして8番が颯爽とピッチに入って行く

その瞬間僕の眼に少し涙がたまった
何に感動した訳ではない
彼の2002年のW杯ゴールもこの会場だった
その映像が思いだされた

たった20秒 それが彼の公式戦最終試合の出場時間である

その後引退セレモニーが始まった
これからも外からチームにかかわるそうだ そりゃそうだよ
早くS級取って監督として帰って来て欲しいと思うものだ

セレモニーの感動は後日。

posted by admin at : 13:43